2018年に読んだ本まとめ
1. カオス―新しい科学をつくる / ジェイムズ・グリック #購入
著者は著名なサイエンスライター. かなりパワフルな文章が読めると思います.「インフォメーション」の内容が素晴らしかったのと, 「カオス」と呼ばれる学問がどういう過程を経て形成されていったのか気になったので読んだ. 最新作の「タイムトラベル」の話も面白いらしいので, 今度読んで見る.
2. 意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論 / ジュリオ・トノーニ, マルチェッロ・マッスィミーニ
統合情報理論を提唱した著者たちによる解説書. かなり平易な文章なので読みやすいし, 問題提起が面白かった. 科学書ではあるものの, 記憶が確かであれば参考文献載っけないよというスタンスだった気が.
3. 万物理論 / グレッグ・イーガン
ハードSFの旗手グレッグ・イーガンの代表作. 一本の筋道立った話ではないんだけど, よくもまあこんなに思考のエッセンスを詰めれるものだ… Hワード (health と Humanity) をめぐる闘いは確かになぁと同意.
4. ユーザーイリュージョン―意識という幻想 / トール・ノーレットランダーシュ #購入
2018年に最も影響を受けたであろう本の一冊. 著者何者だよ. 取り扱ってるのは意識の話だけど, 思考材料が本当に幅広い. 翻訳が上手くて印象的なフレーズが多い. 4章以降はやや失速した感じはあるけど, 名著には間違いない.
5. 情報通信技術はどのように発達してきたのか / 井上伸雄
情報通信技術がわかりやすく非常に丁寧にどう発達してきたのかが書かれています. 高校生くらいのときに読みたかった.
6. 統計学を拓いた異才たち / デイヴィッド・サルツブルグ
統計学って今じゃ必須だけど, そんなに歴史が深いわけではないことを知った. ちゃんと使いこなせるようになりたいと思う.
7. 判断のデザイン / チップ・キッド
TED トークをもとにした本. あんまり記憶に残ってない.
8. 未来型国家エストニアの挑戦 電子政府がひらく世界 / ラウル・アリキヴィ
2月末くらいにエストニアに行く予定だったので読んだ. 読まなくていい.
9. 物語 バルト三国の歴史―エストニア・ラトヴィア・リトアニア / 志摩園子 #購入
これは面白かった. バルト三国に訪問予定なら, 行く前に頭に入れると楽しい旅になると思う.
10. 変身 / フランツ・カフカ
タイトルだけ有名で中身もなんとなく知ってるけど, 実際読んだことない本ってけっこうあるよね. ベルリン→プラハの電車内で読んだ. 時代問わず面白いと思う.
11–12. ファウスト〈第一部〉・〈第二部〉/ ゲーテ
ドイツといえばゲーテなのでは? ゲーテといえばファウストじゃない? というノリで読んだ. 解説ないと辛いけど, やはり名著には違いない. 読後しばらくはファウストの朗読が空耳で聞こえた(本当に).
13. プラハを歩く / 田中充子 #購入
著者本当にプラハのこと好きなんだと思う. 建築が中心. プラハに行く前に絶対読んでほしい一冊.
14. ドイツものしり紀行 / 紅山雪夫 #購入
ロマンチック街道が中心. 街歩きしながらフムフムとうなれるようになる. 旅行は前提知識ゼロでも楽しいのだろうが, 僕はそれなりにリサーチしていくタイプ.
15. 北欧トラベルダイアリー―フィンランド・スウェーデン+エストニアあこがれの街とかわいい田舎町あるき / すげさわかよ #購入
かわいい本. 冬にフィンランド・ヘルシンキに行ったのだけれど, この本のイメージがそのまんま出てきたような街だったと記憶している.
16. マインド・タイム 脳と意識の時間 / ベンジャミン・リベット
実験手法と解釈がイマイチピンと来なくてずっと読み込んでた. 意識の時間って解釈が難しいんです. リベットの科学に対する姿勢は本当に素晴らしくて見習いたいと思う.
17. 国家 <上> / プラトン
議論の中で理想的な国家を作ってみようという, プラトン大先生の偉大な試み. 授業課題で読んだ. <下>は時間がなくて読まなかったけど, いずれ読むでしょう.
18–19. ゲームウォーズ(上)・(下) / アーネスト・クライン #購入
スピルバーグが監督したレディ・プレイヤー1に感動しすぎて原作を買った. オタクの天国かよみたいな世界観です.
20. 「集合と位相」をなぜ学ぶのか ― 数学の基礎として根づくまでの歴史 / 藤田博司
理系の基礎として学部一年の時期に微積を叩き込まれるけど, その全体像を見せてくれる本. 大学数学よくわからんって悩んでいるんだったらさっさと読め. 高校生の頃に読みたかった.
21. 高い城の男 / フィリップ・K・ディック
Amazon Prime でドラマ化したらしいですね. トロント帰りの飛行機で読み始めたら日本に本当に帰ってこれたのか?という疑心暗鬼にかかった. 長旅にフィリップ・K・ディックはおすすめしない. 作品は大好きですが.
22. 宇宙のランデヴー / アーサー・C・クラーク
SFの巨匠たちの頭の中ってどうなっているんでしょうね. 作中で出てきた回転円柱の中にできた滝のモデルを考察するのは楽しかったです.
23. 不寛容の本質 なぜ若者を理解できないのか、なぜ年長者を許せないのか / 西田亮介 #購入
授業課題で読んだ. 微妙. 読まなくていい.
24–29. 烏に単は似合わない, 烏は主を選ばない, 黄金の烏, 空棺の烏, 玉依姫, 弥栄の烏 / 阿部智里
今年読んだシリーズ物. たしか著者僕とそう年齢変わらないはずなんだけど, とんでもない文章力ですね… 次作に期待!
30. 神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡 / ジュリアン・ジェインズ #購入
「ユーザーイリュージョン」で言及されてた本でおもしろそーって思って手にとったけど, 序盤で提唱される<二分心>の話が凄まじいインパクトを誇っていて, その後も自説の証拠を粛々と積み上げていく姿勢が良き. 一人の人間がどうしてここまで考えられるんだろうな. あと厨二病をくすぐるワードが沢山ありすぎて数えきれない. キャプションで「最初の神」とか書かれてたらもう笑うしかない. 名著.
31. 現れる存在―脳と身体と世界の再統合 / アンディ・クラーク #購入
現在でも十分通じる話で認知科学の古典だと思いつつ, 世の中頭でっかちのシステム論を妄信的に信じている人が圧倒的に多いんだろうなぁと思う. 神経系の話は読みづらいけど, 前半だけでも読む価値はある.
32. そして誰もいなくなった / アガサ・クリスティ
有名だけど読んでなかった本. そしてドハマリした.
33–37. 日経サイエンス 2018年8–12月号 #購入
今年から定期購読をはじめました. 価値ある情報にはお金を払うべきだ. ちなみに12月号の特集は本当に面白いのでオススメ.
38–40. クロックワーク・ロケット, エターナル・フレイム, アロウズ・オブ・タイム / グレッグ・イーガン #購入
読む人を淘汰する圧倒的ハードSF. 特殊相対性理論, 量子力学, 一般相対性理論に対する耐性がないとちゃんとは読めない. でも大丈夫. 分からなくても読めるから笑. 万人に広くは勧められないけど, 大好きになった作品.
41. WIRED VOL.31 NEW ECONOMY ぼくらは地球をこうアップデートする #購入
編集長交代騒ぎがあって停止されていた紙面WIREDのリブート号. 昔のWIREDってこうだったよねって言われても知らないんだけど, ホント, テクノロジーに対して楽観的だよね. 次号どうしようかな. 買おうかな.
42. 裏面:ある幻想的な物語 / アルフレート・クビーン #購入
ドラマチックな崩壊が好きな人けっこう多いと思うんだけど, 夢の都が没落していく様はまさにって感じ. というか, そこまでやるかという感想. クービンは画家ですね.
43. 生物から見た世界 / ユクスキュル #購入
ユクスキュル好き. 簡単に読めるけど, 深い世界を表しているので皆さんもぜひ.
読書量落ちた? でも知識のインプット量は2018年はかなり多かったはず. おそらく専門書やら論文の方に時間が吸われてるんだと思います.
2019年も良い読書ライフを!